アーティストの働き方も、ブロックチェーンで変わる。その未来を作るスタートアップ

Text by 塩谷舞(@ciotan[PR]

 

アート作品が買われることを、すこし古風に「お嫁に行く」だなんて言うこともある。

が、お嫁に行った数多の作品たちが、その後どんな過ごし方をしているかを知ることは、少々難しい。生みの親は「どうか幸せに暮らしてくれ」と祈るばかりだ。

もしあなたがアーティストで、死後、あなたの回顧展が開かれるとすれば、一体何が起こるだろうか。

おそらく関係者は、数多の「お嫁に行った」作品たちを大捜索。ある作品は転売され、ある作品は譲渡され、ある作品の所有者は死亡していて……様々なケースがあるだろう。だからこそ、「ウチの物置にずっと眠っていた古い置物が、とんでもない値段になっちゃった!」という鑑定ショーが長寿番組であり続けるのだ。

しかし、テクノロジーの発展によって、様々なアートの情報を管理することが出来たなら? 

 


「あぁよかった、この作家はかなり初期から、ブロックチェーンに作品を登録してくれていた」

将来、そう言って胸をなでおろすキュレーターがいるかもしれない。

ここ数年、仮想通貨がド派手に注目を集める傍でひっそりと、アートの世界にもブロックチェーンの波が押し寄せている。

たとえば、生み出された作品が作家の手を離れたのちに、どのように所有者や価格などのステータスを変えていくのか。アート作品の証明書をブロックチェーン上に発行すれば、その後、作家の来歴や、様々な作品情報が、電子証明書に加筆され続けていく……というものだ。

 

欧米圏では既にアートとブロックチェーンを紐付けたいくつかのサービスが動き出していたのだが、2018年の7月、とある日本の美術作家による資金調達のニュースがタイムラインに飛び込んできた。

そこに名前が出てきた美術作家は、私の古い知り合いでもあったのだが、その挑戦を見て「なんて彼らしいんだろう!」嬉しくなってしまった。

こうSNSでシェアするや否や、その古い知り合いから連絡がきて、何度かSkype越しに話を聞いたり、ディスカッションを重ねたりした。そうして今、この記事を書いている。

 

美術家である施井泰平(しい・たいへい)氏が創業したスタートバーン株式会社が描くのは、中央集権的ではないアートの在り方だ。

彼曰く、アーティストがブロックチェーン上に証明証を持つことで助かるのは、没後に回顧展を企画するキュレーターだけではないらしい。生きている間にもアーティスト当人への、かなり直接的なメリットがある。収益構造が変わるのだ。

上記の記事などでもう既出の内容ではあるが、ざざっとおさらいしたい。

 

作品の販売を行うアーティストが置かれている現状は?


「アート作品は高い」
というステレオタイプなイメージがあるかもしれないが、それがそのまま「だからアーティストはリッチだ」というイメージに直結するだろうか?

実際のところ、アート業界には音楽業界や出版業界の印税システムのようなものは限りなく少なく、アーティスト本人がお金を受け取る機会が限られているのが現状だ。

・作品がよく売れる、大御所作家の場合は?

図解作成:milieu

「お嫁に行った」あとの作品を管理することは難しい。

アート作品は通常、作家が所属しているギャラリーで最初に売られるときよりも、セカンダリーギャラリーやオークションで転売されるときのほうが価格は跳ね上がる。しかし、その高騰した価格は作家に還元されない。

たとえばメルカリで高額転売されたとしても、ブランドには還元されないのと同じ。

・若手作家の場合は?

図解作成:milieu

たとえば30日かけて作った若手作家のアート作品が30万円で売られていると、見る人によっては「若手なのに、結構お高いんだなぁ」と思ってしまうかもしれない。

しかし、多くの場合はギャラリー側と売り上げを折半するため、作家に入るお金は15万円ほど。そこから材料費などを差し引くと……家賃をかなり抑えなきゃいけない。

 
ブロックチェーン上にアート作品の証明証を発行すると?

そんな感じで、なかなか課金ポイントが少ない、アーティストという職業。スタートバーンが作るサービスを使って、ブロックチェーンに作品の証明証を発行するメリットは、どのようなものだろう。

・売れた後の作品を管理できることで、様々なメリットが発生

図解作成:milieu

1.作品の来歴を管理できる

アート作品を転売したり、レンタルするたびに、ブロックチェーン上の証明書もあわせて更新されていく。「お嫁に行った作品が、今どこにあるのか?」を追えるようになる。

2.最初に販売する価格を抑えて、市場に流通しやすくなる

アーティストや所属ギャラリーは、これまで最初の売買でしかお金を受け取ることが出来なかった。しかし、スタートバーンの提供するサービスでは、ブロックチェーン上に「転売時の還元金率」を設定することが出来るので、オークションなどで高値で売れた場合にも、作家やギャラリーにその都度、お金が入る。(*還元金の有無は設定で変更出来る)

転売市場が盛り上がれば、初期の価格が抑えやすくなり、若手の作品なども市場に流通しやすくなる。

3.労働集約型から脱却できる

たとえば20代の頃にブロックチェーン上に登録した作品が、60代になっても転売されていたら?

転売の数だけ収入が上がり、不労所得が生まれる。つまり、アーティストの「作品を売らなきゃお金を稼げない」という労働集約型の収益構造を変えられる、かもしれない。

 


……と、まぁ美味しそうなところばかりピックアップしてみたけれど、実際は、アナログの作品にデジタルの証明証を紐付けることの人的コストや、アートのカジュアルな転売市場が日本には少ない現状を思うと、最初から全てがうまくいく……というのは、ぶっちゃけ難しいかもしれない。

 

しかし、スタートバーンという日本のスタートアップが、アートという領域を選んで、この仕組みを浸透させていこうと闘っていること。これは、ずっと「閉塞感の漂う」だなんて枕詞をセットにされてきた日本のアートマーケットの中で、希望の光みたいに思えた。

スタートバーン株式会社のメンバー。代表・施井が東京大学大学院を修了していることから、オフィスは東大のインキュベーション施設内にある。

 

 

スタートバーンの顔ぶれは、アートとテクノロジーの合体型スタートアップと呼ぶに相応しい。

エンジニアやUI/UXデザイナー、ブロックチェーン・リサーチャーから元ギャラリストまで、様々なバックグラウンドを持ったプロフェッショナルたちが集まっている。インドネシア、シンガポール、バングラデッシュと、メンバーの出身国も多種多様だ。

そして郷治友孝氏や水野祐氏ら、業界でも異色の投資家や弁護士らが背後を支えている。

 

スタートバーンへの、これまでの総投資額は1.15億円。スタートアップの世界としては一般的かもしれないが、日本のアートの世界でこうした勢力は、本当に、本当に珍しい。

多額の投資を受けるということはもちろん、サービスを必ず巨大化させ、買収か上場を目指す、という使命を纏う。しかし、欧米でウケたサービスをコピペして和製にするのとは訳が違う。果たして、勝算はあるのだろうか?

 

代表の施井泰平(@taihei)さんと、COOである波多野智也(はたの・ともや)(@zrnnhtb)さんに、東京大学の校内にあるオフィスで、今後の展望などを聞いた。

左:施井泰平氏 右:波多野智也氏

 

——そもそも、どうしてこのサービスを立ち上げようとしたんでしょうか。施井さんはアーティストで、ご自身の作家活動を第一に優先しても良いはずですが。

施井:過去の歴史をふりかえると、技術の大幅なアップデートが起こったときに、歴史に残るアーティストが生まれてきています。ダ・ヴィンチも、デュシャンも、モネもウォーホルもそうですが……だから、すごくテクノロジーがアップデートされている今、そういったものに呼応するような作家でありたいと思ったのが最初です。

——そうですよね。モネに代表される印象派は、絵の具のチューブが出来て、画家がアトリエの外に絵の具を持ち出すことが出来たから、光の印象を描くようになった。実は技術のアップデートと密に関わっているんですよね。

“Waterlilies”(1906)Claude Monet

施井:はい。それに写真技術が発展していき、リアルに描写、記録する画家の仕事が減少していったことも、印象派の発展と関係が深いと言われています。

そういった歴史がある上で、僕は美大で美術教育を受け、卒業後もアーティストを目指しましたが、アーティストとして成功しているロールモデルが全然日本にいなかった。

——だから、ロールモデルから作ってしまおう、と。そこで武器にしたのが、チューブ入り絵の具ではなく、インターネット。

施井:そうですね。かつて、活版印刷の発明で聖書など様々な本が庶民に行き渡るようになりました。そこで宗教革命が起こった訳ですが、それと同じように、今、インターネットを起点としたあらゆる崩壊が起こっている。これまでの神話を崩していくような側面があります。

——それは私も、本当に肌で感じています。広告業界も出版業界も、仕組みから根本的に変わってしまって、プレイヤーの在り方も、正攻法も、様変わりした。

私はSNSを中心に仕事をして、マスメディア向けにコンサルタントも行っていますが……受賞歴もない若手プレイヤーが大企業相手にコンサルタントするなんて、10年前なら考えられません。

 

施井:まさにそのダイナミズムの中にいますよね。だからこそ、大学を卒業した2001年に「アートの世界もインターネットで大きく変わるな」と確信して、「インターネットの時代のアート」を追求することにしました。

施井泰平(しい たいへい) 2001年に多摩美術大学卒業後、アーティストとしてインターネット作品を作り始める。2007年にはプラットフォームの基盤となる特許を出願し、2014年に起業。

——2001年!もう17年前のことですね。

そこからずっと、美術作家、兼、起業家としてサービスを作りつづけている。

ただやっぱり、アーティストのためのプラットフォームを作ることは、かなり膨大な作業や精神的苦痛を伴いますよね。作品に集中したい、と思われることも多いのでは?

施井:いや、アーティストが主体でやることの意義は大きいと思います。結局、今のアートマーケットはピカソがその土台を作っているし、千利休が自分のためのマーケットを生み出した……という話も有名です。アーティスト主体で進めることによって、「今まで存在しなかったジャンル」を取り扱うことが出来る。

僕らはマーケットの仕組み含めて、アートの概念自体をアップデートすることも可能だと思っています。

——強い……。そこに、ビジネス側からCOOとして参画したのが波多野さんですよね。以前から波多野さんのことは存じ上げていましたが、「数字に強い、スタートアップ界隈のPR・事業開発の人」というイメージが強いです。それがどうしてまた、アートという業種に転職されたんでしょう?

波多野:僕は施井君のように美術教育は受けていないし、アート出身の人間ではありません。ただ、これから理詰めでビジネスをやっていく分野は、どんどんAIやアルゴリズムが主流になっていく。そんな中で「人間」に残るのは、美意識や文化水準だと思うんです。

——これまで理詰めの世界でビジネスされてこられたからこそ、ですね。

波多野:しかし、外から入ってきて、色々と衝撃を受けました。アート市場は世界で7.6兆円もある。それなのに日本のアート業界には閉塞感のようなものが漂っている印象を個人的に受けました。その延長線上に大きなビジネスチャンスがあるようには思われにくいですが、でも、芸術的なものが生み出される価値自体が下がった訳ではない。

——本当にそう思います。ノンバーバルな芸術表現は、国や地域、時代も超えて、様々な感情や情勢を伝えていけるし、普遍的な価値がある。

波多野:そうですよね。あと、僕は小さい頃から歴史オタクなのですが…… さっき施井君が話した活版印刷のように、人類が飛躍的なイノベーションを遂げた時って技術と芸術・教養が同時に発展しています。それと同様のことをこの時代に起こせる気がして、施井君に出会い、COOとして入社することになりました。

——歴史を作っていける側になる、と。でも実際、ブロックチェーンという新興の技術を使いながら、ユーザー参加型のWebサービスを立ち上げていく……というのは、実作業面で、かなり面倒なことも多いのでは? 

施井:確かにめんどくさいです(笑)。ですが、中途半端にやる訳にはいかない。成功させなきゃいけません。

というのも、今から11年前……2007年に今回のサービスの元になるクリエイターのポートフォリオサイトサービス「Startbarn.org」の特許を出願し、2014年にサービスを開始したんですね。

——2007年といえば、ちょうどイラストレーター界隈でpixivが生まれた頃ですね。しかし、アート領域となると、まだデジタル化の波は全く来ていなかったのでは……?

施井:そうなんです。アート関係者のところを回って話をしても、本当に反応がなかった。誰も興味を示してくれなかったんです。どうすれば使ってもらえるのか? と試行錯誤しました。

しかし、何を作るにしても、優秀なエンジニアとダッグを組まなきゃ実現しない。ただ当時はお金も人脈もなくて……そこで「東大の大学院に行けば、人が集まるのでは?」と思って、大学院を受験しまして。

——え、じゃあヘッドハンティング目的で、東大に?

施井:そうですね。ただ、蓋を開けてみると、東大生のエンジニアはみんな優秀で、資金力のあるスタートアップから引っ張りだこ。資金力のない僕だと、仕事をお願いするのも難しくて。だから起業当初は受託の仕事からスタートして、規模を徐々に拡大していきました。

そうやって、やっと、初期の活動から17年目にして今回のブロックチェーンを用いたプロジェクトをリリースしたときに、手応えを感じた。世の中から、沢山の反響が来たんです。2001年から、アートとテクノロジーの掛け合わせをずっとやってきて、こんなに手応えを感じたのは初めてです。

——やっと、「時代が追いついた」ということですね。12月の美術手帖もブロックチェーン特集で、がっつり取材を受けている!

 

——美術手帖と同時に、日経産業新聞の一面にも掲載されてましたよね。経済界からの注目も集めていますが、日本のアート系ビジネスで、こうして1億円規模で資金調達されるスタートアップは本当に珍しくないですか?

施井:はい。そうですね、僕たちもVCから投資を受けたのは今回が初めてです。だから絶対に黒字化しなきゃいけない。日本と米国での特許も取得しているので、早いタイミングで国際化もするし、連携サービスを増やしていきます。

 

 

どうすればブロックチェーン上に作品情報を登録できるの?

——ただ、これまでの話から少しレイヤーを下げていきたいのですが。

ブロックチェーンを使ったサービス。理論上は「革命的だ!」とは思うのですが、実際にユーザー…つまりギャラリストやアーティストが使っていく上で、アート作品を登録するとか、転売時にデータを更新するとか……どうすれば良いのでしょうか? なんとなく、難しそうだな……という漠然としたイメージが。

施井:今回ローンチするプロジェクトは「アートブロックチェーンネットワーク(仮称)」というものです。新しいもののように見えますが、僕らはこれまでもアーティストがどなたでもオンラインに作品を発表できるポータルサイト「startbarn.org」を運営していたんですね。
そのメジャーアップデート版である新生「startbahn」と連動させていくので、利用者さん側のハードルは高くありません。一般的なWebサービスに作品をアップロードするのと、あまり変わりません。

とりあえず試してみたい……という方もいますが、来年1月に全国各地のギャラリーやオルタナティブスペース、寺社仏閣で開催する『富士山展2.0』に参加すると、ブロックチェーン上に作品の証明書を発行できます。今回が初めての試みなので、発行は無料です。そして、インターネット上での作品売買が可能になります。

 

——初回無料、というやつですね(笑)。そのテーマが、富士山!

施井:はい。富士山は、日本のアート作品の中で本当にたくさん描かれて、そして売られてきたモチーフです。日本のアートシーンで「ブロックチェーン×アートの初売り」をするには、これ以上なく相応しいかと。

——北斎らを筆頭に、愛され、描かれてきた日本のシンボルである一方、富士山の青木ヶ原樹海は海外から「自殺の名所」として注目度を高めている。そんな二面性があるモチーフ、というのも珍しいですよね。

『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』(1829年-1832年)葛飾北斎

——ちなみに『富士山展2.0』に参加したいと思った場合は、ギャラリー単位で申し込みが必要なのでしょうか?

施井:基本的にはそうですが、空間だけ提供してくれている会場もあるので、個人アーティストの出展も受け入れられるような形にしたいと思っています。

とはいえまだ初期段階ですので、全ての理想が実現出来ている訳ではありません。現状はスタートバーンのサービス内で動かせる仕組みばかりですが、来年にはサービスをまたいだ還元金の送金管理も実装していく予定です。

また将来的にはこれに加えて、「3年間は日本国内でしか転売できない」などのルールを選べるように、追加していきたいと考えています。

——転売ビジネス目的の人ばかりがマーケットに入ってくることを制御する仕組みですね。数に限りのある作品ですから、価値を理解した上で運用してくれる方に、買っていただきたいですもんね。

あと、目的がやましいファン……たとえば若手女性作家の個展で作品をたくさん買い占めることで「食事に行こう」とか「もっと私のために尽くしてくれ」といった人が問題視されていたりもします。そういった人をブロック出来ないのかな、とか。

施井:あぁ、以前ツイッターでも話題になっていましたね。ギャラリーストーカー。

——それです。アートは大量生産出来ないだけに、アイドルの握手券を何千枚買うのとは意味合いが変わってしまいます。本当にお金で独占出来てしまう。その仕組みを良いことに、お金を投じて、蜜を吸おうとしてしまう人もいる。そういった独占欲に振り回され、作家人生を脅かされる若い人がいる……という状況は、本当にもどかしくて、悔しくて……。

施井:それは良くない……。その問題が解決出来るシステムを組めば、健全化出来るかもしれないですね。

——はい、新しくて自由な技術だけに、色々と期待してしまいます。でもまずは、年始の富士山展!

施井:まずはそこから、ですね。ブロックチェーンを導入する展覧会は、2019年の富士山展が日本初です。そういった物珍しさからも、オンラインでも作品を観てくれる人が増えるのではないか、と。新たなファンとの出会いを産む機会にもなるかと思っています。

——2011年頃まで、村上隆さんが主催していたGEISAIなどの集合型イベントで、多くの作家たちが新たなファンとの出会いを探していましたが……そういった場が、オンライン上でも実現出来るんですね。

欧米のメガギャラリーも最近はオンラインでの売買に積極的ですが、インターネットとどこか断絶していたアートマーケットが、時代と共に変わっていきますね。

施井:まだまだこれからですね。2021年頃までのスコープを立ててはいますが、まずはシンプルに、使用頻度の高い機能から順に実装していきます。

——数年後の戦略を立てて、そこに向かっていけるだけの組織力と資金力がある、というのも安心です。

アート領域でプロジェクトが立ち上がっても、手弁当で始めることが多いから、多くの志あるアートプロジェクトやメディアが「活動資金不足のため」と愛されながらも消えていってしまって……いくら愛されても、意思に反して終わっちゃったら、意味ないじゃないですか。だから本当に、経済的にも、文化的にも、どうか発展して欲しいです。

施井:半端には終わらせませんよ。これからも末長く、宜しくお願いします。

 

 

——「2019年1月」この年月が、あなたの作品がブロックチェーンに記録される記念すべきメモリアルデーになるかもしれない。あと少しで平成が終わる、最後の正月だ。


遠い未来のキュレーターが、「この作家は、平成からブロックチェーンを活用していたのか!」だなんて、その歴史をいつか紐解いてくれるかもしれない。そこには、若手作家と呼ばれた頃から、晩年まで——…あなたの積み重ねた歴史が、たくさん刻まれているかもしれない。

 

 

今ある数多の出来事のうち、どれが歴史に残るのか?

 

それは、誰にもわからない。今日も出てくるサービスがあれば、消えゆくサービスがある。小さなムーブメントとして火がつき、やがて歴史となるほどの出来事になるか、否か——。

それは、最初のプレイヤーたちの覚悟と嗅覚そしてその波に乗る作品の魅力にかかっている。

彼らの漕ぐ小さな船が、いつか大きな船になり、大陸のように大きくなるように。そして、そこに、数多の歴史的な芸術が溢れるように。そんな期待を込めて、このプロジェクトを応援していきたい。

Text by 塩谷舞(@ciotan
Photo by かくたみほ
[PR]提供:スタートバーン株式会社

『富士山展2.0 -ザ・ジャイアントリープ-』

▼『富士山展2.0 -ザ・ジャイアントリープ-』プロジェクト概要

日時:2019年1月5日(土)​〜1月26日(土)営業日 / 時間はそれぞれの会場で異なります

概要:富士山をテーマに多様な領域のクリエーターが作品を制作・販売、企画開催

開催会場:事務局選定と公募により集まった全国約50箇所のスペース
ギャラリー広田美術、Gallery MoMo Projects、コンフリクト、space dike、中央本線画廊、dragged out studio、NOT SO BAD、HAMON GALLERY、BRÜCKE、Baexong Arts京都、本屋B&B 、聞光山 照恩寺(東京)、四谷未確認スタジオ(五十音順・随時追加予定)

参加アーティスト:池田剛介、岡崎乾二郎、岸井大輔、グロイスフィッシングクラブ(飯島モトハル・じょいとも・トモトシ・中山いくみ・花牟禮有基・横山奈穂子 )、CopulAプロジェクト(studio仕組)、阪本トクロウ、下野友嗣、田中かえ、東京大学・文化資源学研究室+ライアン・ホームバーグ、中村紗千、西島大介 、村田朋泰、吉田晋之介、他(五十音順・敬称略・随時追加予定)

・オフィシャルサイト
・参加応募フォーム

 

11月7日に発売された『美術手帖』12月号は1冊まるごとブロックチェーン特集。 漫画でわかるブロックチェーンのことや、海外の事例、批評家からの考察など盛りだくさん。スタートバーン・施井さんのインタビューも掲載されています。

 

Special Thanks ビジネスモデル図解ツールキット

RANKING

FOLLOW US